以前にはこんな記事を書いていました。大学で3年間学んでからこの記事を見ると、偏った情報を書いているな・・・と思うのですが、
割とアクセス率が高いのでリライトすることにしました。
クラシックサックスを勉強する上では絶対外せない5名を紹介したいと思います。
巨匠
20世紀前半~現代において、特にクラシックサックス界を牽引した巨匠の方々です。
マルセル・ミュール(Marcel Mule, 1901 - 2001)
フランスのノルマンディー地方生まれで、サックスのエチュードでは定番であるフェルリングやベルビギエの表紙の方です。
(知らずにエチュードを使っている人が結構います)
功績は大きく、今日のクラシックサックスを形作った人物と言っても過言ではありません。
同氏への委嘱曲にはデザンクロのサクソフォーン四重奏曲などがあります。
当時サクソフォーン科というのはどの音楽院にもありませんでしたが、パリ国立高等音楽院で世界で初めてサクソフォーン科の教授に就任しています。
現在もクラシックサクソフォーンの最先端の教育機関はパリ高等音楽院です。
録音も数多く残っていますが、ヴィブラートなど当時特有の奏法の特色が強いため、これを聴いた初心者の方が
「サックスってこうやって吹くのか」と思いがちです。
レッスンとかではやらないようにしましょう。
mcken' wonderland様で詳しい経歴が載っていますので紹介いたします。
シーグルト・ラッシャー (Sigurd Rascher, 1907 - 2001)
ラッシャーはドイツのエルバーフィールド生まれで、アメリカで活躍した奏者です。
サックスのフラジオ奏法の草分け的な存在です。
ミュールと並び、クラシックサックスの発展に大きな貢献をなさりました。
このように楽譜上で名前を見かけたことがある方は多いのではないでしょうか。
それもそのはず、イベールの小協奏曲やグラズノフの協奏曲、ダールの協奏曲、マルタンのバラード、ラーションの協奏曲など、名曲が軒並み彼に献呈されています。
Youtubeでも生前の演奏姿が載っています。
更に詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。
ダニエル・ドファイエ (Daniel Deffayet, 1922 - 2002)
フランスのパリ出身の奏者です。ディファイエと呼んでいる方とドファイエと呼んでいる方の割合が半々ですが、どちらも正しいです。
ミュール氏に師事し、その後を継いで1968年から1988年までパリ国立高等音楽院のサクソフォーン科の教授として教鞭を取っていました。
世界的オーケストラのベルリンフィルで、カラヤン指揮のもと、「アルルの女」を当時吹いていた録音が残っています。
3:22あたりから1楽章にソロがありますね。
同氏の四重奏団はサックス四重奏団の歴史の中でも頭一つ抜けた存在であり、そのレコードを聴いてサックス奏者を目指したという話もよく聞きます。
昨年にはそのレコードをCDに焼き直したものも発売されました。
今聴いてもそのアンサンブルの緻密さと音色の美しさには感激します。
僕自身も購入しましたが、ぜひにもサックスをやっている方は聴いてほしい1枚です。
ジャン=マリー・ロンデックス (Jean-Marie Londeix, 1932~)
フランスのジロンド生まれで、現在進行形でボルドー音楽院で教鞭を取っている方です。
ミュール氏に師事し、同時期のドファイエ氏に並び活躍しました。
献呈作品も多くあり、有名な所ではデュボアの組曲形式による性格的小品などがあります。
また、サンジュレーのサクソフォーン四重奏曲第1番は、同氏が編曲を手掛けたものがあります。
Youtubeではクレストンのソナタやグラズノフの協奏曲の録音が載っており、1度は聴いたことがある方は多い筈です。
また、ロンデックス氏の名を冠した、本人が審査するコンクールがあります。今年はタイで開催されるそうです。
クロード・ドラングル (Claude Delangle, 1957~)
フランスのリヨン生まれで、現在進行形でパリ国立高等音楽院のサクソフォーン科の教授です。
今、世界の最先端で活躍している教育者・サックス奏者と言っても過言ではないでしょう。
ドファイエ氏に師事しており、ミュール氏の手ほどきも受けたそうです。
時折来日しており、大阪音楽大学の客員教授としてマスタークラスやコンサートを開いています。
サックス奏者・佐藤淳一氏のブログでインタビューの様子が載ってたので紹介させて頂きます。
⇒ SaxoLab.
もちろんこれだけではない
サックスの歴史は浅いといえども、成長も早いので絶え間なく変化しています。
自分の好きな奏者を知って勉強するのも大事ですし、自分の習っている先生の言う通りに奏者を調べることが必要です。
ここで挙げたのは一例ですが、5名に絞って紹介しました。
それでは。
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