本革リガチャーはどんな人に向いているのか?イマドキ紐で結ぶのは面倒すぎない?

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上里です。もう7月になりましたね。

ATELIER ROPEサイトも4月に発足してから3カ月目に入ろうとしています。

ATELIER ROPEの看板商品といえる本革リガチャーですが(それしかないけど)、

締め具合を紐で結んで調整するという時代錯誤もいいとこなこのリガチャーは、一体どんなプレイヤーに向いているのか

はたまた、どんな音色・吹奏感なのか

まだまだレビューが少ないので気になる方が多いと思います。

 

目次

 

 販売からしばらく経った今、実用に耐えるのかを紐解いていきたいと思います。

 

2010年のディナンで3位入賞したサックスプレイヤーは紐リガチャーだった

世界的に有名なサックスの国際コンクール、

The Adolphe Sax International Competitionはサックス発明者の生誕地、ベルギー南部のディナンで4年ごとに行われています。

サックス界のワールドカップのような感じで、(こう呼ぶとあまりにも安易すぎて怒られそうですが)

アドルフサックスコンクールやディナンなどと呼ばれています。

 

その2010年に行われたディナンで3位に入賞したAlexandre Souillart(アレクサンドル・スーヤ)氏は、驚くことに市販のリガチャーではなくシンプルに紐を括りつけてリードを固定していました。

 

 

 

8:00からスーヤ氏の演奏動画が再生されますが、氏のマウスピース近辺に注目です。

何かマウスピースから赤い紐が垂れ下がっていますね。リガチャーというよりは赤い紐をグルグル巻きにしただけという感じに見えます。

サックス界の頂点ともいえるコンクールで入賞を果たすプレイヤーでも、手間を惜しまず紐をグルグルと巻いて出場していたのですから驚きです。

 

同年同コンクールで優勝したシモン・ディリック氏も紐製のリガチャーを使用していたようです。

映像から見るとバンドレンのクラシックかBambuかもしれません。

 

 

ディナン2010年の入賞者のセッティングについては、原博巳先生がブログにて公開なさっています。この度は参考にさせて頂きました。ありがとうございます。

blog.goo.ne.jp

 

蛇足ですが入賞者のうち紐リガチャー使用者は6人中4人という多数派っぷりです。

2010年に越したことではなく海外では紐リガチャーは根強い人気があります。

また原先生自身も紐リガチャー(Bambu)を愛用なさっていることでも有名です。

 

 

BGなどの金属リガチャーの方が確実にリードは固定されるのでプロユースに非常に向いていますが、皆あえて紐リガチャーを選んでいるのです。

リードがずれるかもしれない・紐がほどけるかもしれないという不安や面倒さよりも音色の良さが何より大事というのが海外の方々の発想なのかもしれません。

 

 

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切り出してコバ磨きを終えたところの写真



本革リガチャーはどんな人に向いているのか?

前置きが長くなってしまいました。果たして本革リガチャーはどんな人に向いているのか?

まず本革リガチャーの性質の確認のために特徴を挙げていこうと思います。

 

本革リガチャーの特徴

・紐で革を左右から縛ってマウスピースに固定する

・素材が軽い

・本革なので伸縮性がある

・本革特有の変化がある

・本革なので水には弱い

・革素材なので音色はマイルドになる(個人差あります)

・明らかに従来のリガチャーの見た目とは異なる

 この特徴をふまえると、このリガチャーはこんな人に合います。

 

・抵抗感の軽いリガチャーが欲しい

・柔らかな音を出したい

・個性が出るお洒落なリガチャーが欲しい

・ちょっとの手間は惜しまない

 

 

こんな風に思うことができる人なら買ってから後悔しないでしょう。

 

そもそも、個性が出るものやクラシカルでオシャレなアイテムというのはどれも機能性は高くありません

ハイヒールや後ろファスナーのワンピースやクラシックカーやZippoライターなど・・・どれも手間がかかるし、もっと楽で手入れもいらなくて便利なものが安くたくさんあります。

しかし手間をかけながら使っていると、長く使うほど何にも代えがたい特別なアイテムになります

 

あなたが長年使い続けているものや持ち続けているものには少なからず思い入れがあるはずです。

長年履き続けてボロボロだけど思い出がある革靴を持っていたら、手入れが面倒だからといって捨てるでしょうか?

当時は一番高性能だったけれど今はもう自分しか持っていない年代物のシャープペンを持っていたら、古くなったからといって新しいものに替えるでしょうか?

 

きっとそうではないと思います。

多少手間がかかっても使い続けたいものこそが本当に自分に合っているアイテムです。

物にこだわる貴方のアイテムの中のひとつにこのリガチャーが仲間入りできたら、嬉しい事この上ないです。

 

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紐が「後れ毛」のように見えるのもチャームポイント

 

革リガチャーを使うのに向いていない人とは?

先ほどとは逆に、本革リガチャーを使うのに向いていない人はどんな人か?というのを挙げてみます。

まず本革リガチャーを初めて見た時にデメリットが次々に頭に浮かんだ人はあまり向いていないかもしれません。

見た通りの性質ですが、本革リガチャーのデメリットを挙げてみます。

 

本革リガチャーのデメリット

①ガチガチには固定できないので衝撃や接触・チューニングの際にリードがずれることがある

②紐で結ばないと固定できないために手間である

③水に弱い

 

この3点が不安要素になるかと思います。

まず①つ目はリードがずれる場合があるということ。

これはプロユースには致命的かもしれません。

BGのTraditionalやファブリックならちょっとの衝撃や接触でリードがずれることはまず無いからです。

本革リガチャーはしっかり結べば演奏中にリードがずれることはほぼありませんが、手などが接触したりチューニングでマウスピースを抜き挿しした際にはリードがずれることがあります。

安心・安全を望む堅実な方はそれらのリードをしっかり固定できるリガチャーを選ぶべきです。

 

そして②つ目は紐を結ぶ必要があるということです。

つまりは、もう少し締めたい!緩めたい!となったら紐を解いて結び直す必要があるということです。

結び方もほどけにくい結び方をしなければいけませんし、上手く結べるようになるまで少し時間がいるかもしれません。

これがBGやハリソンやJBLだと、ネジを締めるだけで調整ができます。

Bambuだと黒いアジャスタで縛り上げるだけで調整ができます。

 

ネジでワンタッチで調整できないなんて考えられない(;・∀・)という人は迷わずそれらのリガチャーにすべきでしょう。

紐で結ぶのは確かに慣れがいります。しかし結ぶことが習慣化してくるとだんだんコツが分かってきて望む締め具合に一発で合わせられるようになってきます。さながら職人芸のように。

アイテムの性能に頼るのではなく自分の技術を上げることになります。

 

 

最後のつ目は水に弱いということです。

サックス自体がそもそも水気に弱い楽器なので、通常に使う分には水気の心配はいりません。

しかし濡れた手で直接触り、水滴をそのままにしていると本革にシミができます。

これがBGのTraditionalやバンドレンのレザーやロブナーだと、さほど気にしなくても変化はありません。

(バンドレンのレザーやロブナーは合皮です)

 

本革が水に弱いというのはごく当然のことなので普段から本革製品を使っている方はすんなりと適応して頂けると思います。

しかしもしも水に濡れてしまったら・・・というのが不安な方はそれらのリガチャーを使った方が良いと思います。

 

本革リガチャーは、水滴がついてしまったらすぐ乾いた布で拭いて頂きたいです。

汚れの無い水ならすぐ拭けば問題ないですが、少し放置すると内部にしみ込んでしまいます。

 

 

見た目が気に入ったなら

実際に使い始めたら結ぶことにもすぐ慣れます。

「こういうもんだ」と思えば人間は割と適応するものです。機能的な魅力ではなく外見的な魅力を感じるなら楽しんで使って貰えると思います。

紐がないとこのリガチャーのシルエットは成り立ちません。

 

物にこだわるあなたに使って頂きたいです。